2001年6月24 日、BMWの地元ドイツ・ニュルブルクリンクでF1世界選手権第9戦ヨーロッパGPの決勝が行われ、ファン・パブロ・モントーヤがスペインGP以来の2位表彰台を獲得、ラルフ・シューマッハも4位入賞、BMW Williams F1チームにとっては今季初のダブル入賞となった。ホームグランプリの舞台となったニュルブルクリンクで、BMW Williams F1チームのパフォーマンスは予選から素晴らしいものだった。ラルフ・シューマッハはコンマ2秒差で惜しくもポールポジションを逃したものの2番手グリッドを獲得、モントーヤも3番手グリッドとなり、母国GP制覇の期待は大きく高まった。
そして日曜日の決勝レースでも、ふたりのドライバーはフェラーリのミハエル・シューマッハと緊迫した優勝争いを展開する。特にラルフ・シューマッハはまるで前回のカナダGPを再現するかのように、レース中盤まで兄ミハエルとテール・トゥ・ノーズのバトルを演じた。BMWパワーのアドバンテージを生かしてストレートエンドで何度かオーバーテイクを仕掛けるラルフと、卓越したテクニックでブロックするミハエル。そんなシューマッハ兄弟の緊迫したトップ争いに、ドイツの観客は大歓声を送った。しかしレース折り返しの38周目、ふたりの白熱したバトルは突然の結末を迎える。28周目にピットインしたラルフはコースに復帰する際、定められた白線の中を走らなかったとして、ピットで10秒ストップしなければならないというペナルティを課されたのである。この結果、ラルフは合計で30秒ものタイムをロスし、母国GP制覇と2連勝の夢は潰えてしまった。しかし、そんな不運のあとも、ラルフは粘り強い走りで4位完走、2戦連続でポイントゲットした。一方、ラルフが優勝争いから転落したために2位に浮上したモントーヤ。今シーズはこれまでスペインGPの1度しか完走することができていなかったが、見違えるような安定感のある走りを披露する。特にレース終盤になるにつれてしり上がりに調子を上げ、優勝したミハエル・シューマッハのわずか4秒差でチェッカーを受けた。